ママカフェ体験記15
ママカフェとの出会いから5年。学びと実践を繰り返し頑張ってきたことにより、子育てはもちろんのこと、私自身の心にもとても大きな変化がありました。そんな私の山あり谷ありな5年間を、ほんの一部ですが紹介させて下さい。
【ママカフェを知る前の私】
私は子どもの頃から自信がなく気持ちを上手く表現できず、嫌な事でもいつも「いいよ」と返事をしてしまっていました。周りの人に嫌われたくない、上手くかかわっていきたい、だからいつでも嫌な顔をせず引き受けていたのだと思います。しかし、何でも引き受けてしまって辛くなり、相手に対してまで「嫌だな」という気持ちを抱くようになってしまうこともありました。そして、それだけでなく、自信がないから自ら行動を起こすことがともとても苦手でした。やりたいなと思うことがあっても、いつも頭の中で考えて終わってしまい、大概のことは周りの人に導いてもらってきました。大人になるに連れ、そんな自分が本当に嫌で苦しくて仕方ありませんでした。
なので、息子を授かった時は「この子には自分のようになって欲しくない、自信を持って欲しい、気持ちを素直に言えるようになって欲しい。やりたいと思ったことはやって欲しい。」そう思ったのです。そのためにはまず、私がたくさん要求に応えて、人に対する信頼感を持つことが大切だと真剣に考えていました。だから、泣いたらすぐに抱っこ、おもちゃやお菓子は買ってと言われればすぐに買ってあげる…。当時の私は、子どもに対してそんなかかわりをしていたのです。
【ママカフェとの出会い】
自分の苦しい心の内や、子育ての悩みを相談していた近所のママ友さんがいました。そのママが、ママカフェを初開催するということで誘ってもらったのです。しかし、当時の私は自分の子育てに特に疑問は持っていませんでした。子どものことは、すぐに泣くし主張も強いけど、一人目の子育てだったこともあって、そんなものだと思っていました。でも、信頼していたママが誘ってくれることだから、行って無駄はなさそうだな…。そのような気持ちで、息子が2歳9か月の頃に初めて参加しました。
しかし、そんな気持ちで参加したママカフェでしたが、「ここで大切にしている考え、すごくいい!!」「これ、私が目指していた子育て!全然出来てないけど…。」「この考えを取り入れていったら、家族とずっといい関係でいられそう!」…と、自分が求めていたことだったり、気づいていなかった課題を知ることが出来たりと、何だか突然未来が明るくなった気分で、かなり興奮状態でした。この日は主人も一緒に参加したのですが、帰り道も、立ち寄ったお店でも、帰宅後も、ずーっと2人でママカフェトークに花を咲かせていました。
そこでママカフェが大好きになった私は、とにかく学んだことは実践してみる、学びの機会があれば出向く、うまくいかなくても信じて続ける!そんな気持ちで学びと実践を繰り返してきました。
そして徐々に、「私もママカフェの考えと一緒で親子の絆を大切にしてきたつもりだったけど、やり方が全然違ったんだ。むしろ私のかかわり方は、子どもが思い通りになる状態を作っていただけだったんだ。」ということに気付いていきました。今思えば、ママカフェに行く前の私の子育ては、子どもの頃から自分の気持ちを隠して人の言うことを聞いてきた私の生き方を、反映したような子育てでした。
それから、なかなかうまくはいかなかったけど、気持ちを受け止めつつNOを伝えたり、進んでいない家事を一旦忘れて子どもと遊ぶことに集中してみたり、いろいろなことを実践してみました。
【生活の変化】
実践を重ねるに連れ、「抱っこ抱っこ!」といつもダダをこねていた息子が手を繋いで会話を楽しみながら歩けるようになったり、小さな赤ちゃんに優しくトントンしてあげたり、少しずつ努力が実ってきたという実感がありました。
しかし、学び始めてから1年経ったころ、我が家は家を建てる計画が始まり、それと同時期に私の妊娠がわかりました。妊娠中の私はイライラが止まらない上に、家の新築の事で考えることがいっぱい、とても大変な状態でした。とはいえ、第2子が生まれた瞬間はもう、幸せいっぱい!それまでのイライラなんて、すぐに吹き飛びました。1人目の出産の時にも味わいましたが、人生180度変わった気分でした!!
と、思ったら…喜びもつかの間。妹が生まれて数時間後の息子のキャラの激変ぶりに、とても驚きました。それまでは、すごくかわいかった息子が「めんどくさい、めんどくさい、早く帰りたい!」と…。反抗期の中学生⁉…と思ってしまうような姿になってしまい、本当に驚きました。
それからというもの、泣きそうになりながら2人育児をして、「前はあんなにかわいかったのに…」「2人目生んで良かったんだよね」とまで思ってしまった時もありました。
【気持ちが楽になった日のこと】
2人目が生まれて2か月ほど経った頃、そんな辛かった私をママカフェ主催者の方が、きむにいとのスカイプ会に誘って下さったのです。出産により半年近く学びから離れていましたが、苦しみから脱出したいという想いで、生まれて間もない娘を連れて思い切って行ってみました。
そのスカイプ会では、たくさんの励まし、子育てのヒント、そして頑張りすぎないコツを教えていただき、気持ちがスッと楽になったのを覚えています。そして、その中で私の心に一番ひっかかったことは、
「息子が保育園の支度などをやってやってと言います。今は親子の絆を育む方に力を入れていきたいので、自立の方はいったん置いといて、もう、やってあげちゃってもいいですか?」という私の質問に対し、「自立と絆はセットだから、自分でできることは自分でやる方がいい。やってあげる時間があったら、たくさん遊んだほうがいい。」
という、きむにいの言葉でした。相手の言うことを聞き続けていたら、相手との関係が悪くなるってことか…。そう、再認識しました。
その頃の息子は、保育園に行きたくない、毎日のように何か買って欲しいと言う、お友達が家に遊びに来るとおもちゃを独り占めする、お客様が来ると話の邪魔をする…。そんな状態でした。しかし、それまでのママカフェでの学びに加えて、スカイプ会で教えていただいたことが私の頭の中を巡っていたことにより、その時自分が何をしたら良いのかがわかりました。親子で関わって遊ぶこと。やってあげる・買ってあげるではなく、遊びの中で心を通い合わせ、愛情メーターを満タンにすること。
【息子の変化】
生まれてから3年近くしてきた、“子どもの思い通り”になっていた子育ては、修正に時間がかかりました。小さな変化はあっても、大きな変化は少ない。次から次へと問題が起こるし…、このまま続けていて大丈夫なんだよね?と、不安に思うこともありました。しかし、ママカフェを学び始めて5年、あきらめないで信じて続けてきた甲斐あって、今の息子は、お友達が家に遊びに来てもとっても穏やか。お互い想いの食い違いがあっても、言葉で伝え合って調整することが出来、数年前のような自分の思い通りの状況にしようとする姿はすっかりなくなりました。学校の支度も宿題も、私が口を出すことはほとんどありません。自分の力で頑張っているのを私はそっと見守っています。でも、放っているのとは違って、絆をしっかりと結んでいるから、宿題で困ったことがあったら聞いてきてくれるし、苦手なことがあれば、「出来るようになりたいから練習付き合って欲しい」とリクエストしてくれます。学校で辛いことがあった時は、相談もしてくれます。
自分で頑張る力、親に相談してくれようとする気持ち、ここが育っていれば、私が見ていない学校で何かあっても大丈夫だ、そんなふうに思えるようにもなりました。
子どもの要求に応えてばかりの子育てをしていたら、今頃どうなっていたか…。もしかしたら、息子は荒れ放題、私は大切に想っていた我が子に毎日イライラしていたかもしれません。
【私自身の変化】
そして私自身も、ママカフェを知る前には想像も出来なかったほど、今は自信を持って前向きな気持ちで毎日を過ごしています。前だったら人間関係で少しでも嫌だなと思うことがあると、モヤモヤが何日も続いてすぐに胃が痛くなっていたのに、今は「みんないろんなふうに考えるから、気にすることない!」って気持ち切りを替えることが出来るようになりました。学びがあったからこそ、そんなふうに思えるようになったのだと思います。
また、ママカフェの温かい空間にたくさん触れてきたことにより、とても消極的だった性格も大きく変化し、今はやりたいことは何でもやってみようという気持ちになりました。いろいろ手を出しすぎて、失敗しちゃったなと感じることもあるくらいです。5年前の私とは別人みたいと、きむにいにも言っていただいたほどの変化です。
ほとんど話題に出て来なかった娘の子育てですが、生まれた時からママカフェを知っていたおかげで、しっかりと絆を育んで、毎日楽しく過ごせています。息子の時についやってしまっていた「やってあげる」は、すごく気をつけていました。なるべく見守り、本人のペースを大切にしてきました。おかげで、ゆっくりではあるけど自分で出来ることがたくさん増え、いつも驚いています。まだ3歳ですが、卵を割ったり牛乳を注いだり、食器を運んだり、お手伝いもたくさんしてくれます。大人がやってしまった方が早いと感じてしまうこともあるけど、今少しだけ見守ることに集中すれば、後で楽!!息子とのかかわりの経験があるからこそ、そう思って頑張れています。
私が今、こんなふうに幸せに過ごせているのは、想いをたくさん伝え続けて下さっているきむにい、私をママカフェに誘い、ずっと支えてきてくれた近所のママ友Hちゃん、ママカフェを主催してくださったみなさんや出会った仲間たちがいてくれたからこそ!本当に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
今苦しくても、こうやって変わることができる!それを伝えたくて、この体験記を書かせていただきました。一人でも多くの方に、この想いが届きますように。
長文になりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。